日本では“人と自然が共生する空間”である里山への注目が集まっています。人が農業のために造った空間にもかかわらず、絶滅危惧種を含む多くの動植物が集中して生息し、まさに“生物多様性の砦”となっているためです。しかし、農地や薪炭林としての役目を終えた多くの里山が、開発等によって姿を消してしまいました。かろうじて残った里山も、荒廃が進んでいるところがほとんどです。人が利用することで保たれてきた里山の生物多様性が失われつつあるのが現状なのです。
間伐を進め、里地里山を保全するための活動を続けることは、日本の森林を守り、豊かな生物資源を保全します。
そして、その森林は、地球温暖化を進めてしまう二酸化炭素を吸収し、温暖化防止に大きく貢献できるのです。
里山は人々が農林業のために、ため池や田畑・雑木林・草地などを作りだした結果、 多種多様な生物が生息できるようになった環境です。
人と自然が共生してきた類例が少ない環境として、 世界的な注目を集めています。
しかし、農地や薪炭林としての役目を終えつつある今では、 消滅や荒廃の危機に瀕し、その影響は都市にも及んでいます。